摺り友禅 多ち花
きものには様々な染色技法があります。
糸目友禅、型友禅、絞り、刺繍…意匠(デザイン)とそれぞれの技法が上手く組み合わせる事ではじめて美しい布が生まれます。
今回は“摺型友禅”に拘る、染繍舗多ち花をご紹介いたします。室町でも唯一無二の意匠と、技法への拘り。独自の世界観から生まれる美しい布はきっとあなたの装いに、新しい閃きを与えてくれるはずです。
今回は多ち花展開催にあたり、改めて摺り友禅の魅力、そしてそれを支える職人の方々の元へ伺い勉強をさせて頂きました。
摺り友禅とは
約6メートルの細長い板が天井に渡された太い梁に整然と並べられている。
摺型友禅【摺り友禅】は板場と呼ばれるこの染め場から生まれます。白生地を長板に歪みなく張り1枚80cm程の型紙を生地の上に重ねる。そして型紙に彫られた文様の上から刷毛で染料を摺り込んでいきます。
摺型友禅【摺り友禅】は板場と呼ばれるこの染め場から生まれます。白生地を長板に歪みなく張り1枚80cm程の型紙を生地の上に重ねる。そして型紙に彫られた文様の上から刷毛で染料を摺り込んでいきます。
色を重ねる
染料の濃度で濃淡を表現する一般的な友禅とは異なり、摺型友禅は摺り込みの回数によって濃度を変化させていきます。
多い物では4、5回同じ色を摺り込む事も。
この工程が色数ごとにあり、型紙の枚数は多いもので40枚もの枚数になります。
この工程が色数ごとにあり、型紙の枚数は多いもので40枚もの枚数になります。
意匠×色数×濃度
白生地の長さは約13メートル。この長さを40枚それぞれの型紙をおくり均一な力加減で色を摺り込まなくてはなりません。力加減が違えば仕立てた際、色のバランスが崩れてしまいます。大変根気と手間のかかる仕事です。
多ち花ではこの摺型友禅に、絞りや刺繍などを組み合わせた独自の表現で常に新しい物づくりを続けています。
多ち花ではこの摺型友禅に、絞りや刺繍などを組み合わせた独自の表現で常に新しい物づくりを続けています。
染繍舗多ち花 沿革
創業者袖崎善蔵(明治44年生)は、尋常小学校卒業後「千總」へ。
丁稚奉公として入社し、モノ創りの基礎を学ぶ。戦地へ赴き帰還後、多ち花を創業。
現代表河合洋平は、初代袖崎善蔵・2代目社長河合憲一に続く3代目である。
丁稚奉公として入社し、モノ創りの基礎を学ぶ。戦地へ赴き帰還後、多ち花を創業。
現代表河合洋平は、初代袖崎善蔵・2代目社長河合憲一に続く3代目である。